ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が9月2日に政策金利オフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を0.25%引き上げて2.75%としたことを受け、国内の主要5行が翌3日までに変動型(フローティング)住宅ローン金利を一斉に0.25%引き上げた。いずれの銀行も固定金利については変更を発表していない。6月四半期の消費者物価指数が前年比4.1%まで上昇するなか、今回の利上げはエコノミストの大方の予想通りで、準備銀行はさらなる引き上げの可能性にも言及している。
最も早く動いたのは国内最大手のANZで、変動金利を6.29%、リボルビング型のフレキシブル金利を6.40%に設定した。新規融資は9月9日、既存の借り手には9月23日から適用する。ANZの個人向け銀行業務責任者グラント・ナックル氏は「当行の住宅融資の大半、約92%は固定金利。固定金利は市場のホールセール金利や今後のOCRの見通しにより強く影響される」と説明した。BNZは変動金利を6.34〜6.44%に(9月17日から)、ASBは6.29%と6.39%に(9月9〜10日から)、ウエストパックは6.39%と6.49%に(9月7日から)、キウイバンクは6.25%と6.30%に(新規は9月7日、既存は9月21日から)それぞれ引き上げた。あわせて一部の預金金利も引き上げられている。
各行は「顧客の多くは固定金利で今回の影響はない」「返済に1カ月以上先行している顧客が45%を占める」などとして家計の耐久力を強調する一方、返済に不安のある利用者には早めの相談を呼びかけた。準備銀行はインフレ率が2027年半ばまでに目標圏(1〜3%)に戻ると見込むが、それまでは変動金利の借り手を中心に生活費の圧迫が続く。年内の総選挙を控え、金利と物価は引き続き最大の争点となっている。
