ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

2018年の国道1号死亡事故、路面状態が原因と検視官 見送られた安全対策工事の再開を勧告

カンタベリー地方南部ティマルー南の国道1号で2018年1月に起きた死亡事故について、検視官は9月28日に公表した所見で、危険が把握されていた路面状態が事故の原因になったと認定し、財政上の理由で見送られた安全対策工事の実施を勧告した。

事故は2018年1月17日、北行きの食品配送トラックがカーブで制御を失い、車線を横切って南行きの車に衝突したもので、運転していた31歳のケリーアン・パティンソンさんが死亡した。母親は娘について「社交的で明るく、いつも楽しそうだった」と語っている。

アレクサンドラ・カニンガム検視官によると、北行き左車線は舗装のタールが表面に浮き出た「フラッシング」状態で、雨天時に滑りやすくなっていた。トラックの運転手は30年近い経験があり、時速約85キロで走行していたが、車体は横滑りしたまま68メートル進み、3車線を横切った。検視官は「運転手の過失を示す証拠はない」とし、警察も起訴を見送っている。事故前の数日間に同じカーブで後輪が滑ったと証言したトラック運転手もいた。

現場から250メートル以内では2012〜2017年に5件の制御不能事故が発生しており、交通局(NZTA)は路面の問題を把握していたが、「濡れた路面に注意」の標識を設置した以外、事故前に抜本的な対策は取らなかった。検視官は「対応が十分だったとは言えない」と指摘した。事故の3日後には車線が再舗装されている。

その後、中央分離帯のバリア設置を含む安全改良事業が計画されたが、「政府の優先事項との整合」を理由に着工されず、2024年には農業関係者らの反対もあってバリア設置が取りやめとなった。検視官はバリアを含めた事業の実施を勧告したが、NZTAは「財源の問題で進められていない」とし、遺族に哀悼の意を表している。