宿泊費の代わりにできることは?
ニュージーランドでワーホリや留学をしていると、友達の家に
「ちょっと泊まっていく?」
と言われることがよくあります。楽しくて気がつくと夜遅くなって最終バスもない、シェアハウスに戻るには遠い、あるいは他の都市の友達の実家にクリスマスやホリデーでおいでと呼んでもらう。そんなありがたいオファーをいただくことは、ニュージーランドでは珍しくありません。
ただ、この”泊めてもらう”という行為ですが、日本とニュージーランドでは少し感覚が違うように思います。日本人の中には、
「一晩泊まるだけだから、そんなに気を遣わなくてもいいよね」
とか、
「招待されたんだから私はゲストだね」
と考える人も多いようですが、ニュージーランドの家庭では少し違った受け取り方をすることが多いです。ニュージーランドの家庭では、ゲストを迎えるというのは”滞在する時間の生活を共有する”という感覚を持っている人が多いように思います。ゲストとして泊まるということで、お茶を出してもらったり、お食事を並べてもらったりというよりも、キッチンもリビングもオープンに開かれていて
「ここに滞在する間は自由にゆっくりしてね」
というムードがあります。
「コーヒーが飲みたいならここだよ。シャワーを浴びたいならタオルはここから出してね」
そんなふうに、そのお家の時間の中に自分が自然と混ざる感じです。だから、お客様という立場ではなく、
「泊めてくれてありがとう。何か手伝おうか?」
という姿勢がニュージーランドスタイルです。食事の支度が始まっているのなら、
「何か手伝います」
と言ってみましょう。すでに食事が用意されていたのなら、後片付けや洗い物をする。初めてのお家や初めて会うご家族で勝手が分からないなら
「何か手伝えることはありますか?」
と聞いてみましょう。聞かれた側は、実際には何もお願いすることがなくても、その一言をあなたから聞くだけであなたへの印象がぐっと良くなります。
もし一晩だけでなく、長く滞在する場合やホリデーで招かれた場合は、もっと自然に”役割”を持つと良いでしょう。バーベキューの準備を手伝う、買い物について行く、キッチンを軽く掃除する、庭に水をまくなど、そのお家で普段していることの中で、自分ができることを少しでも手伝う感じです。お金を渡す文化はあまり一般的ではありませんが、その代わりに行動で返すのがニュージーランドでは自然なことだと思います。
Pukekoの家でも、子どもたちのお友達が食事に来た場合、食べ終わるとみんな自分の食器をキッチンへ持ってきて
「洗い物しようか?」
と聞いてくれていました。
「食洗機に入れるから大丈夫だよ」
と言うと、
「じゃあ何かあれば言ってね」
と返してくれます。結局、何もしてもらうことがない場合がほとんどですが、それでもそう言ってくれるだけで、こちらの気持ちはとても嬉しくなります。
そして、もう一つ大事なのは去り際です。何も言わずに出て行く人もいるようですが、短くても良いので、
「本当にありがとう。すごく助かった」
「また何かできることがあれば言ってね」
と伝えるだけで、その後の関係が変わってくるかもしれません。お友達のご家族が食事を作ってくれていたのであれば
「ご飯おいしかったって、お母さん(または作ってくれた人)に伝えておいてね」
これを言うだけで、
「またあの子、呼んであげなさいよ~」
なんて会話になる可能性も十分あります。事前に分かっていれば、小さな手土産を持っていくのも良いですね。日本のお菓子でなくても大丈夫です。そんな都合よく日本のお菓子を常備している人はあまりいません。
お酒を飲むことが分かっているならビールやワイン(ニュージーランドはスーパーでも安くておいしいワインが買えます)、あるいはスナック菓子でも十分です。一方的にしてもらうだけではない、という気持ちが伝われば、それで十分だと思います。
最長1年間滞在できるワーホリで来ていると、どうしても”お世話になる側”に慣れてしまうことがあります。でも実際は、招いてくれた側も時間や生活スペースをシェアしてくれています。その見えないコストに少しだけ意識を向けるだけで、人との関係はぐっと良くなり、そしてその関係は長く続くかもしれません。結局のところ大事なのは、完璧なマナーではなく、一緒に過ごして”楽しかったな”と思ってもらうことだとPukekoは思います。ちょっとしたお手伝いと、きちんと感謝を言葉にすること。それだけで十分な礼儀になるのではないでしょうか。

簡単な朝ごはんを作るのもアリですね
-Happy gathering!
Pukeko




