ロシア連邦保安庁(FSB)は7月28日、ニュージーランドの情報機関NZSISに協力し国家機密情報を提供していた疑いがあるとして、極東ハバロフスク在住の55歳の男を大逆罪の疑いで拘束したと発表した。
駐NZロシア大使スタニスラフ・クランス氏は、FSBが「ロシアの安全保障に不利益となりうる情報をNZ情報機関に提供した疑いのある自国民の不法行為を摘発した」と確認し、捜査が進行中であると述べた。ロシア刑法275条が定める大逆罪の最高刑は終身刑。
TASS通信によると、男は自らNZSISに接触し、メールやメッセージアプリを通じて情報を提供していたとされる。
NZSIS・GCSB担当のクリス・ペンク大臣は「係争中の疑惑についてコメントできる立場にない」と述べるにとどめ、ウィンストン・ピーターズ外相らも同様にコメントを避けた。元情報・安全保障アナリストのポール・ブキャナン氏はNZヘラルド紙に対し、NZSISは英米豪加とのファイブアイズの正式メンバーではなくGCSBのパートナーにすぎないとして、今回の一件をファイブアイズと直接結びつける見方には懐疑的な姿勢を示した。その上で、ハバロフスクが中国国境から約27キロと近いことに触れ、中国の軍事動向を警戒する日本側の関心とNZの関与を指摘する声もあると述べた。
FSBが公開した映像では、男が路上で複数の制服警官に取り押さえられ手錠をかけられる様子や、自宅・職場の家宅捜索で米ドル紙幣の束が押収される場面が映し出されている。ロシアがNZによるスパイ行為を公に非難するのは今回が初めてとみられる。
