クリストファー・ラクソン首相は、太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議が開かれたパラオで記者団に対し、ニュージーランドとインドの自由貿易協定(FTA)が早ければ来月にも発効する可能性があると述べた。両国は2026年4月に協定へ署名しており、発効には双方の国内手続きと批准の完了が必要となる。NZ側では関連法案がすでに議会で第1読会を通過し、特別委員会での審議を経て年内に実施法が成立する見通し。インド政府筋も10月の発効が有力との見方を示している。
協定はNZからインドへの輸出品の約95%について関税を撤廃または引き下げる内容で、発効と同時に輸出額の約57%が即時無関税となり、段階的に82%まで拡大する。両国は5年以内に二国間貿易を50億米ドルへ倍増させる目標を掲げる。人口が世界最大規模で中間層の拡大が続くインドは、乳製品や食肉、木材、園芸作物などNZの主要輸出品にとって巨大な市場になると期待されている。一方で、酪農分野の一部品目は完全自由化の対象から外れた。
ラクソン首相は今年7月にモディ首相と「戦略的パートナーシップ」を打ち出すなど、対インド関係の強化を政権の重点課題に位置づけてきた。米国による関税引き上げなど貿易環境の不透明感が強まるなかで、インドとの協定発効はNZの輸出産業にとって数少ない明るい材料となる。政府は発効に向けた国内手続きを急ぐ方針だ。
