ニュージーランド移民局(INZ)が進めていた生体認証システムの刷新計画をめぐり、ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)のニック・ブレイクリー事務次官は23日、国会の特別委員会に出席し、失敗に終わった一連の事業で税金5,070万ドルが無駄になったことを認めた。この日は今期国会の最終開会日だった。RNZが報じ、1Newsやニュージーランド・ヘラルド紙も伝えている。
「生体認証機能アップグレード(BCU)」は2018年に始まった7年がかりのIT事業で、目に見える成果を何も生まないまま昨年11月に打ち切られた。BCUではすでに4,200万ドルが損失処理されており、さらに関連事業の「対面登録(IPE)」についても870万ドルの損失処理が大臣に勧告されている。同省は後継事業の費用も示せておらず、ブレイクリー氏は損失がさらに膨らむ可能性も否定しなかった。6月に公表された独立報告書は、詳しい分析をしないまま事業を始め、2020年に大幅な計画変更をした際も十分な精査をしていなかったと指摘。遅延や目標の未達など多くの危険信号を無視して事業を続け、大臣への報告も「過度に楽観的で、時に実態を偽っていた」と批判していた。
ブレイクリー氏は3月の委員会で、すでに中止されていた事業の中止を明らかにしなかったとして、先月、議会侮辱と認定されている。特権委員会は同省が「意図的に」議員を誤解させたと結論付けた。同氏は辞任を申し出たが、公務員委員会のブライアン・ローチ委員長に慰留されている。
委員会でブレイクリー氏は「議会の信頼を取り戻すには越えるべき山がある」と謝罪し、進行中のIT事業70件の総点検を終えたと説明した。今後は技術関連事業の状況を四半期ごとに公表する方針で、公務員委員会の調査結果次第で職員の処分も検討するという。同氏は、2つの事業はいずれも自身の就任前に終わっていたとして、職にとどまり問題の立て直しにあたる考えを示している。
