2024年9月1日、クライストチャーチ発ウェリントン行きのエア・ニュージーランドのATR72-600型機(乗客70人、乗員4人)で、着陸直前に左エンジンから出火した事故について、運輸事故調査委員会(TAIC)が9月24日、最終報告書を公表した。
報告書によると、出火の原因は低圧タービンのブレード1枚が金属疲労で破損したこと。エンジン内にオイルが漏れて煙と炎が上がり、火災警報が作動した。このエンジンは事故の直前にオーバーホールを受けていたが、品質検査で疲労亀裂が見逃されていた。同じエンジンの別のブレードにも疲労の兆候があった。TAICはエンジンメーカーのプラット・アンド・ホイットニー・カナダに対し、オーバーホール時の品質保証手順を強化するよう勧告した。
機体は無事着陸して滑走路上で停止し、乗員が消火剤を放出したが、火災警報が消えなかったため機長が緊急脱出を指示した。しかし脱出には2分51秒かかり、基準の1分30秒の約2倍に及んだ。乗客の半数近くが機内持ち込み手荷物を持って避難し、前方左側の出口から出た数人は出火したエンジンのすぐ近くを歩いていた。前方出口の小ささに驚いて扱いに手間取った乗客もおり、ドアの下端に足をかけて地面まで2メートル近く飛び降りなければならなかったという。軽いけがをした人もいた。
TAICのルイーズ・クック首席調査官は「無事着陸しても、緊急対応はそこで終わりではない。乗員には明確で十分に訓練された手順が必要で、乗客は指示を理解して従う必要がある」と述べた。エア・ニュージーランドは避難に「望ましいより時間がかかった」と認め、すでに訓練や手順、乗客向けの安全情報を見直したとしている。
