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家族の敏感肌から始まった、20年以上の石けんづくり

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家族の敏感肌から始まった、20年以上の石けんづくり

「いつかやろう」を「今やろう」に変えた、しのぶさんの復業ストーリー

 

家族の敏感肌を少しでも楽にしてあげたい。

その想いから始まった手作り石けんは、気づけば20年以上続く「人生で一番興味を惹かれたこと」になっていました。

今回お話を伺ったのは、ニュージーランドで無添加石けんブランド「Chiko Soap Handmade Natural」を手がける、しのぶさん。

国際線のフライトアテンダントとして働きながら、限られた時間の中で、石けんの仕込みや製造、販売、オンラインストアの運営まで、基本的に一人で行っています。

しのぶさんにとって、フライトアテンダントも石けんづくりも、どちらかが「本業」で、もう一方が「副業」という関係ではありません。どちらも大切な本業だからこそ、この記事では、あえて「副業」ではなく「復業」という言葉を使います。

新型コロナウイルスの影響による解雇を経験したことが、「いつかやろう」を「今やろう」に変えた転機となりました。

「石けんは生きている」と語るしのぶさんに、石けんづくりを始めたきっかけや、フライトアテンダントとの復業のリアル、事業を続けるうえで大切にしていること、そして一歩を踏み出したい人へのメッセージを伺いました。

石けんづくりを始めたきっかけは?

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石けんづくりを始めたのは、フライトアテンダントになる以前のことです。はっきり何年前だったかは覚えていませんが、もう20年以上になります。

最初のきっかけは、敏感肌の家族でした。

ニュージーランドの水や、当時使っていたボディソープ、シャンプーなどが肌に合わなかったようで、かゆみが悪化すると、血が出るまで掻きむしることもありました。その姿を見ていて、とてもかわいそうに感じていました。

ちょうどその頃、石けんを手作りしている友人と知り合い、作り方を教えてもらいました。それが、そもそも石けんづくりを始めたきっかけです。

手作りした石けんを使うようになり、家族の肌の調子が少しずつ良くなっていく様子を横で見ながら、無添加の石けんでこんなに違うのかと驚きました。それと同時に、私自身も石けんの世界にはまっていったんです。

材料を変えては使い心地を試すことを繰り返しているうちに、自分たちだけでは使い切れないほどの量になりました。

そこで、友人にプレゼントして使っていただいていると、「購入したい」と声をかけていただけるようになり、少しずつマーケットへの出店などにつながっていきました。

フライトアテンダントになったのは、実はその後です。

石けんづくりは、私の人生の中で一番興味を惹かれた趣味でした。

なぜ石けんに惹かれたのですか?

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私自身は、石けんを選んだという感覚はあまりありません。

むしろ、私の人生には必然だったのではないかと思うくらい、石けんに対する興味や関心が、限りなく湧き出てきます。

同じレシピで作っても、材料の生産元や季節、気温、湿度などによって、毎回少しずつ違う石けんが出来上がります。

私はいつも、「石けんは生きている」と感じています。

魂を込めて作ることができれば、それは使ってくださる方にも必ず届くと信じています。

初めて販売したときの気持ちは?

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「ああでもない、こうでもない」とレシピを考えながら、自分や家族のために作るときとは、また違ったワクワク感がありました。

その一方で、自分が手作りしたものにお金をいただいてもよいのだろうか、という罪悪感もありました。

長年、会社という組織の中で働いてきたからこその感覚だったのだと思います。

あとになって、自分で仕事を始める人の中には、同じような気持ちを経験する方が意外と多いのだと知りました。

販売して分かったことは?

特に、石けんづくりを正式にビジネスにしてから感じるようになったことですが、石けんのレシピを考えたり、製造したりすることは、今でも「好きでやっている」という感覚が強いです。

一方で、事務作業を含めたパソコン業務は、一から調べながら進めています。今も手探りです。

一人でビジネスをしていると、得意なことだけでは前に進めません。不得意なことも、自分でやらなければならない場面がたくさんあります。

時間はかかりますが、一つひとつこなしていっています。

復業で大変なことは?

時間に制約があることが、最も大きなチャレンジです。

私の場合、商品はすべて手作りです。さらに石けんは、仕込みをしてから出来上がるまでに約4週間かかります。

できる限り前もって計画を立て、予定に合わせて仕込みを行い、パッケージを準備し、オンラインストアへ掲載し、SNSも投稿する。

やりたいことは、いくらでもあります。

だからこそ、隙間時間を使い、今できることを一つずつ進めるようにしています。

最近では、AIの力を借りることで、時間を短縮できる作業も少しずつ増えてきました。とてもありがたいと感じています。

オンラインストアもリニューアルし、商品を見つけてもらうまでの導線や、お問い合わせの流れを整理しました。

その結果、作業の手戻りが減り、以前よりもオーダーが入りやすくなった実感があります。

事業化を決めた転機は?

新型コロナウイルスの影響で、フライトアテンダントの仕事を一度解雇となり、その後、2022年に再雇用されました。

この解雇を経験したことが、石けんづくりを正式にビジネスにしようと、背中を押してくれました。

「いつかやろう」と思っていたところへ、突然そのチャンスが訪れた、という感覚です。

2020年3月にニュージーランドで最初のロックダウンが始まり、その後、フライトアテンダントの大量解雇の話が出始めた頃から、個人事業主としての登録を視野に入れるようになりました。

そして、最初のオンラインストアを立ち上げました。

うまくいかないかもしれないけれど、まずはやってみよう。

そんな気持ちでのスタートでした。

Chiko Soapが大切にしていることは?

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Chiko Soapは、「正直と真面目さ」がモットーです。

商品をご購入くださる方の中には、敏感肌に悩み、さまざまな石けんを試した末に、Chiko Soapへたどり着いてくださった方も多くいらっしゃいます。

そこには、一人ひとり違う、たくさんのストーリーがあります。

だからこそ、肌にやさしいものを提供したいと思っています。

無添加の石けんにこだわりたい。一方で、無添加だからこそ生まれる不便さもあります。

例えば、一般的な石けんと比べて柔らかくなりやすいことも、その一つです。これまで、水分量を調整することでだいぶ改善できていますが、それ以外の点についても、使ってくださる皆さんからいただいたフィードバックをもとに、少しずつ改良を重ねています。

お客様と一緒により良いものを作り、喜んで使っていただきたいと願っています。

ストーリーを形にするカスタム石けん。印象に残るオーダーは?

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いくつかあります。

例えば、オークランドのコーヒーロースティングバー「Dear Deer」さんのために、オリジナルのコーヒー豆から抽出したコーヒーを使ったソープバーを作りました。

抹茶ラテの石けんも人気になりました。

ほかにも、ウェディングギフト用の石けんや、ビジネスのロゴをスタンプした石けんなど、用途に合わせてさまざまなカスタムオーダーをいただいています。

その方が持っているストーリーを、石けんという形にできることが、カスタムオーダーの面白さだと感じています。

今後の目標は?

現在は、基本的なことを一人で行っています。

ただ、時間のことを考えると、一人でできることには限界があると感じています。

今年は、助け合えるコミュニティを作ることができたらよいのではないかと考えています。

まずは、ソープメーカーになりたい方へのトレーニングから始め、将来的にグループができたら、カスタムメイドのオーダーをシェアすることなどもできるのではないかと考え始めています。

一歩踏み出したい人へ伝えたいことは?

仕事があるから忙しい、という感覚はとてもよく分かります。

ですが、仕事があり、経済的に安定しているからこそ、小さな規模で始めるのは絶対にありだと、私は実感しています。

私自身、だいぶスローペースではあります。

それでも、諦めずに一つひとつこなしてきたことで、少しずつ基盤を作ることができたと思っています。

「いつかやろう」と思っているだけでは、その日はなかなか来ません。

だから、まずは今できることから始めてみる。

目指している規模にもよりますが、ニュージーランドはビジネスを始めたい人にやさしい国だと聞いたことも、私が一歩を踏み出すきっかけの一つになりました。

皆さんの夢も形になりますよう、応援しています。

編集後記

「石けんは生きている」という、しのぶさんの言葉が印象に残りました。

家族を想って始めた石けんづくりを20年以上続け、仕事を失うという大きな転機さえも、新しい一歩を踏み出す力に変えてきたしのぶさん。華やかな成功談だけではなく、限られた時間の中で、苦手なことにも一つずつ向き合う姿に、復業のリアルが表れていました。

「いつかやろう」と思うだけでは、その日はなかなか来ない。まずは、今できる小さなことから始めてみる。

しのぶさんのお話が、何かを始めたいと思っている方の背中を、そっと押すきっかけになればと思います。

 

NZDAISUKI ACHIEVERS
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