ニュージーランド政府公認移民アドバイザーのAki Yamasakiです。
8月改正の技能移民永住権についての追加発表
2026年3月5日、ニュージーランド移民局より、技能移民永住権部門の改正に関する追加発表が行われました。これらの改正は2026年8月後半から施行される予定とされていますが、今後ニュージーランドでの永住権を目指す方にとって重要な改正となる可能性があります。
- Trades and Technician Pathwayの対象となる職種
- 以前発表された、大卒資格や高収入カテゴリーの条件を満たさず、従来の技能移民永住権の申請条件に該当しない特定職種向けに設けられる新たな技能移民永住権のパスウェイのひとつ、Trades and Technician Pathway。こちらのパスウェイに申請可能な職種が発表されました。(なお、このリストは今後アップデートされる可能性があります。)
- アンバーリストとレッドリスト
- アンバーリストとレッドリストの対象となる職種が発表されました。アンバーリストとは、もう一つの技能移民永住権のパスウェイSkilled Work Experience Pathwayに申請可能な職種のリストであり、一方でレッドリストに該当する職種については、Trades and Technician Pathway、Skilled Work Experience Pathwayいずれのパスウェイの申請対象外となります。アンバーリストには、例えばシェフやカフェマネージャーなどの職種が含まれており、レッドリストには美容師や店長などが含まれています。
- Trades and Technician PathwayとSkilled Work Experience Pathwayはニュージーランド国外の職務経験も評価対象になるため、旧技能移民永住権制度のように、ニュージーランド国外の元雇用主への確認などが行われます。つまり、審査のプロセスが複雑になり、結果として審査期間が長くなる可能性があるのではないかと思います。
- 給料
- SMC申請時には、Skilled Employmentに対して時給の中央値要件が撤廃されます。
- ただし、ニュージーランドでのSkilled Work Experienceを基に申請する場合、雇用開始時点で時給の中央値以上の給与で雇用されていた証明をする必要があります。
- 学士号
- Level 8 もしくは Level 9 の学位を基に永住権申請を行う場合、基本的には学士号を取得している必要があります。
- 英語テスト結果の期限が5年に延長
- 職業登録が必要な職種で永住権申請を行う場合、英語テスト結果の有効期限が5年間に延長されます。
- AEWV再延長
- 2027年からは、最大12か月間Skilled Work Experience が不足している方に限り、AEWVを延長できる特別措置が導入される予定です。
今回の改正は、昨年の発表よりもさらに細部にまで言及されているのが特徴的です。ただし、現時点では改正の法的根拠となるビザルールの改正はまだ行われていないため、あくまで参考情報として捉えておく必要があります。 "The devil is in the details" 一見すると良さそうな制度改正でも、細かな要件に思わぬ落とし穴が潜んでいる可能性があります。
永住権条件を満たさないケースが多い
8月の改正を目前に、多くの方から永住権申請代行についてのお問い合わせをいただいております。しかし残念ながら、実際には多くのケースで申請ができない場合がほとんどです。特に、ご自身でAEWVを申請された後に永住権の代行申請をご依頼くださるケースでは、「申請可能」と誤解されている方も少なくありません。永住権とAEWVの審査は別ですので、AEWVが発給される=永住権が取得出来るという訳では決してありません。
また、移民アドバイザーはビザの発給を確約することはご法度です。代行を依頼したからといって必ず永住権が取得できるわけではありません。ビザ発給を確約したり、実際には可能性が低いにもかかわらずその事実を伝えないまま申請代行料を受け取って受任するのは、倫理的に重大な問題であると考えております。
ニュージーランドでの滞在という大きな決断に関わることですので、ご自身でビザ申請を行うことによる費用節約のメリットだけでなく、一人で手続きを進めることによる精神的な負担や、将来の永住権などのビザ申請に影響が出る可能性といったリスクについても、あらかじめ考慮しておくことが大切です。
移民局、141億円もの大規模赤字に苦しむ
2024年にニュージーランドビザ申請料の大幅値上げを実施し、昨年だけで100人のスタッフをリストラしたニュージーランド移民局ですが、現在1億5200万ドル(141億円)の巨額赤字が発生していることが明らかになりました。 申請料値上げは、申請者が91%もの費用を負担する「User Pays(利用者負担)モデル」への移行により、赤字が解消されるか期待されましたが、値上げ前の駆け込み需要の反動に加え、不景気により予想よりもAccredited Employer Work Visaの申請件数が減少したことも影響しています。加えて、8年間にわたるITシステム導入に3億3600万ドル(約312億円)を投じた影響も直撃しています。 ちなみに、現在このUser Paysシステムを留学生向け教育業界(学校などを想定か)にも負担を課すことが検討されているとのことです(RNZ、2026年3月4日)。
また、同記事では、AEWV関連で現在49件の雇用主が移民搾取事件の裁判待ち、2000件のEmployer Accreditationが停止・剥奪されている事実も指摘されています。こうした赤字状況下でも、移民搾取事件の増加を受け、移民局内の法律順守を管轄するComplianceチームへの増強が今後も継続されると考えられます。
このコラムは、一般的なビザおよび移民法に関する情報を提供することを目的としており、法的助言を目的としたものではありません。執筆者および弊社は、本コラムの内容に起因する損害について、一切の責任を負いません。また、免責事項も含めて本コラムの無断転載および改変を禁止します。政府公認の移民アドバイザーは、移民アドバイザーライセンシング法に基づき、ニュージーランド政府からフルライセンスを取得しています。執筆者はこのライセンスにより、単独で移民に関する法的助言および全てのビザ申請代行を行う法的業務を提供することが認められています。移民アドバイザーと直接やり取りをせずに、無資格者を介して移民アドバイスを受けるなどのやり取りをする場合、違法行為であり、処罰の対象となる恐れがあります。また、移民アドバイスを受ける際は、トラブルや不利益を避けるためにも、政府団体IAAのウェブサイトでアドバイス提供者のアドバイザー番号とその種類を必ずご確認ください。ライセンス発給歴も確認できます。(アドバイザー番号の最初の4桁はアドバイザー資格申請年を示しています。)移民アドバイザーの中でも特定のビザカテゴリー限定でアドバイスを行うことが認められている Limited Licence 保持者については、どのビザカテゴリーについてアドバイスが可能なのか必ずご確認ください。弊社は無料の移民相談所ではございません。本コラムの執筆者であり、ニュージーランド政府公認の移民アドバイザーが、移民アドバイザーライセンシング法に基づいた移民法の法的サービスを提供しております。(執筆日2026年3月6日)
- Aki Yamasaki (カンタベリー日本人会協賛会員でGoogle Review5.0のNew Zealand Visa Partner (ニュージーランドビザ申請代行センター)代表およびNZ政府公認移民アドバイザー)
- 9年目のベテラン移民アドバイザー。ニュージーランドに移住して27年目。TOEIC満点、英検1級取得。Master of Business, BSocSci (心理学)、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得。現在は大学院ロースクールに在籍。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)およびNZ公認教育カウンセラー(ライセンス番号2430150)ほぼ全てのビザ申請を最終的に発給に導く。自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2か月以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談(1時間まで$260+GST)のお申込はフォームにご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ)02108319214(お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜)
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