隣国オーストラリアで大量のビザキャンセルとなったスキャンダル。ニュージーランドでも他人事ではありません。
今までの努力がなくなるよ。
完全に子供の自主性に任せた学校についてのドキュメンタリー映画を鑑賞しながら、日本の受験戦争とNZの自由な教育の両方を経験できて良かったと思いました。その映画のワンシーンで、中学受験前にやる気を失った少年に、小さな女の子が「今勉強を止めたら今までの努力がなくなるよ」と声を掛けていたのが印象的でした。
「努力がなくなる」はビザ申請にも通じます。どんなに移住準備を計画しても、スキルを持っていても、NZにパートナーがいても、結果ビザが取れなければニュージーランドに滞在自体出来ないので、全ての努力が“なくなります”。
残高証明書作成サービスを2000円で販売
日本のメディアで最近、無許可の代行会社によるオーストラリアのワーホリに関するスキャンダルが報道されていました。かいつまんで話すと、オーストラリアのワーホリビザの申請代行に政府公認のライセンスを持っていない留学エージェントが関わり、名前だけ改変した残高証明書を豪移民局に提出。その後、虚偽情報提出を理由に日本に一時帰国中にワーホリビザをキャンセルされて再入国出来なくなったようです。会社代表は150人ほど同様のワーホリビザの申請代行をしたことを認めているとのこと。(FNNプライムオンライン、2024年9月3日)またその留学エージェントはホームページでワーホリビザの申請代行実績が5000件と謳っています。無資格者による申請代行によって発給されたビザについて、豪移民局がどのような対応を取るのかについても注視しています。
実際相談を受けた弁護士事務所情報によると、この留学エージェントを利用した50人のワーホリビザが既にキャンセルされたとの事。残高証明書作成サービスを追加2000円で購入したケースと、自身の残高証明を渡していたのに、なぜか捏造された残高証明書とすり替えられていたケースがあったようです。(JAMS.TV, 2024年8月29日)
AUSもNZもビザアドバイザーは政府の認可制
オーストラリアにもニュージーランドと同じく、移民アドバイス、ビザ申請及びビザなど移民関係について裁判所の代理人業務が出来る政府公認の「Migration Agent」制度があり、OMARAという政府ウェブサイトにて認可を受けたAgentを検索出来ます。
ニュージーランドでは、IAAという政府機関が移民アドバイザーのライセンスを発行し、政府公認移民アドバイザーのリストを公開しています。ちなみに、ニュージーランドの法律で、実際に代行しなくても、必要書類がどのビザが適しているかなどの助言も移民アドバイスとみなされます。
この無資格の業者にワーホリビザ申請代行サービスを依頼した方は、ビザ申請代行が法的業務であることを知らず「誰がやっても同じだろう」と考え、安いところに依頼したのかもしれません。しかし、節約した結果ビザがキャンセルされれば、NZを含め他の国への入国も難しくなる場合があります。
NZでは虚偽申告が認定後も貢献度等により逆転ビザ発給の可能性も
ニュージーランドのビザルールでは他の人が勝手に提出した偽造書類であっても、それを本人が提出したとみなされることです。つまり被害者であっても虚偽申告の当事者と認定されるため、ビザ申請が却下される可能性が高くなります。
類似のケースで本人の知らない所で、第三者による文書偽造が発覚し、ニュージーランドのビザが却下されそうになったケースを担当したことがあります。結局、Character Waiverと呼ばれる素行条件の免除申請制度を使って、その方のニュージーランドとのつながりや貢献度について、頭がおかしくなるほど考え抜き、証拠と共に強く主張することでビザが発給されました。
ちなみに、永住権申請で虚偽申告や虚偽情報の提出によって却下された場合は、別の省庁である法務省管轄の移民保護裁判所(Immigration and Protection Tribunal)に提訴する形になります。移民アドバイザーは、この裁判所で弁護士のように代理人を務めることができます。私はこの移民アドバイザーという職業に誇りを持って取り組んでおり、無資格で違法に移民アドバイスを行い、この業界のイメージを落とす人に対し、憤りを感じざるを得ません。
このコラムは、一般的なビザや移民法に関する情報提供を目的としており、法的助言を目的としたものではありません。執筆者および弊社は、本コラムの内容に起因する損害について、一切の責任を負いません。また、免責事項も含めて内容の無断転載および改変を禁止します。法的アドバイス(有料)やビザの申請代行をご希望の方はご連絡ください。移民アドバイスを受ける際は、必ずアドバイザーの番号とその種類を確認することで、違法なアドバイスからの被害を避けることができます。弊社では、ビザ申請代行が可能かどうかの無料査定は行っておりますが、無料での法的アドバイスは行っておりません。法的相談及び申請代行契約をされたクライアント様への対応時間を最大限確保するため、ご自身で申請予定の方や無料アドバイスをご希望の方からの連絡はご遠慮下さい。何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。(執筆日9月6日)
9月23日追記
9月23日の移民局から移民アドバイザー向けのメールによると、10月7日から移民アドバイザーや弁護士は、顧客である雇用主のJob Check申請において、Work and Incomeと直接やり取りをすることが出来なくなることが決定。ただし、その他のJob checkのプロセスについては引き続き対応可能。なるべくそれまでに移民アドバイザーや弁護士に対応を求められた方が良いかと思います。
また、10月1日以降にビザ申請が完了しているか、それ以前にビザ申請を完了していて、10月1日の時点で審査結果が出ていないニュージーランド人のパートナーのワークビザおよび観光ビザが、現在の「最長2年間」から「最長3年間」に延長されることが決定しました。
- Aki Yamasaki
- New Zealand Visa Partner Limited(ニュージーランドビザ申請代行センター)代表。NZ政府公認・移民アドバイザー(Licence No. 201701307)/NZ公認教育カウンセラー。カンタベリー日本人会協賛会員。Google Review 5.0。
- ニュージーランド移住27年目、移民アドバイザー歴9年目。TOEIC満点、英検1級。Master of Business Lincoln Uni、Bachelor of Social Science (心理学) Waikato Uni,、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得し、現在も大学院ロースクールで法律を学ぶ。
- 一般的なビザ申請だけでなく、申請却下歴、犯罪歴、移民保護裁判所などの困難な案件にも対応。移民法に基づく法的助言、申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成等一貫して担当する。却下後の不服申立て、犯罪歴・病歴を伴う案件、移民大臣による特別な例外許可を求める案件、さらに弁護士や他の移民アドバイザーでもビザ取得に至らなかった案件についても、ビザ発給へ導いた実績を有する。 コロナ禍でビザ許可率が低下していた時期に、かつ素行要件にも抵触していた2件のビザ申請を除き、これまで受任したビザ申請の成功率は100%。評判の高い移民アドバイザーや留学エージェントからも案件の紹介を受けている。
- 法律分析と移民局への弁論書に定評あり。本気でニュージーランドのビザ取得を目指し、「応援したい」と思える案件のみ厳選して受任。弊社で申請代行可能かどうかの査定は無料。
- NZ国内外オンライン対応
- 営業時間 平日 NZ時間 9:00~18:00
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