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第94回 比較的高い審査ミス率は移民局の想定内?

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第94回コラムタイトル: 高い審査ミスは移民局の想定内?

ビザ発給条件を満たしていても数多くの申請が却下される。

リスクがあっても移住したいかがポイント

最近、不法滞在に陥ったクライアント様に、移民大臣の代理審査官から特別にビザが発給されました。法的には審査自体を拒否される可能性もありました。

移民アドバイザーとして、苦手な質問は、「ビザ発給を確約できますか?」と「ビザ申請が却下された場合、返金してくれますか?」です。例えば、手術前の外科医や裁判前の弁護士に対してはそういった質問はしないと思うのですが、なぜか移民アドバイザーにはそのような質問がよく寄せられる気がします。

ビザ申請に確実はありません。よく言われますが、そもそも人生で確実なことは「死」と「税金」だけです。

大前提となるのが、ビザ発給の立証責任は申請者にあることです。こちらがどんなに頑張っても、必要書類を指示通り確実に取得頂けるかわかりません。必要な書類がなくてはビザ発給は当然難しくなります。(シェフの腕前が良くても、材料が不十分だと美味しい料理を作ることは難しい事と同じです。)返信が極端に遅れたり、自己判断で勝手に判断されること、そして重要な事実をお伝えして頂けないなどアドバイザーの手の届かない色々なファクターにも左右されます。

また、ビザ申請では周りの方の協力が必要です。申請者ご本人だけでなく、時間、労力、そして時には金銭的負担が周りの方にも発生します。やむを得ない場合はもちろん仕方ありませんが、安易な理由で、途中で申請取り止めるのは避けて下さい。そんなことをしては周りの人は二度と助けてくれなくなるかもしれません。ビザサポートして、雇用してくれている雇用主など、周りの方に感謝の気持ちを示すことが大変重要です。

移民局は審査ミス発生率をどのくらいで想定しているのか?

ビザ発給を確約出来ない他の理由として、移民局の判断に大きく左右されることがあります。移民局が公表したビザ申請のパフォーマンスレポートによれば、短期ビザと永住ビザのいずれも、審査の正確性は85%を目標としているようです。言い換えれば、全体の15%の申請においては、移民局による審査ミスを想定していることになります。最新のデータはまだ公開されていませんが、前回の発表では、短期ビザの実際の審査ミス率は85%から89%だったようです。つまり、全体の10〜15%は本来ビザが発給されていなければいけない申請だったということになります。

ビザルール改正にやっとついていっている審査官

今年のビザルール改正回数は前年よりもかなり減りました。12月末現在、40回となっています。(去年の22年は74回、一昨年の21年は64回でした。)それでも19年の15回と比べると、まだまだビザルール変更が多い年だったと言えます。因みに、ある弁護士によると、過去6年間で経験豊富な上席審査官の離職が続いており、昨今では、「ビザルールの変更に辛うじてついていっている。」と告白した審査官も何人かいたそうです。(Morgan氏、NZAMIニュースレター12月号)

救済措置のないNZ国外申請

NZ国内の申請では、短期ビザでは却下後に再考手続きが可能であり、永住ビザの場合は移民保護裁判所へ提訴出来ます。なお、昨年のデータによれば、永住ビザの審査ミスによる提訴が認められたケースは全体の46%に上り、半数近くを占めています。(IPT、2022年12月)

厄介なのは、NZ国外からの短期ビザ申請が却下された場合です。以前オンブズマンの判断を仰いだことがありますが、ビザルールでは裁量が認められているが、法的根拠がないため、却下されたNZ国外の短期ビザ申請に対しては、再考手続きが認められないとの判断でした。要するに、却下された場合は審査が正しいものであったかの調査は基本的には行われないことになります。その場合、新たに申請をしなければならず、却下後、新しい申請に挑戦しても、以前のビザ却下歴が原因で、再度ビザが却下されることも起こり得ます。仮に約15%のビザ審査が移民局によるミスで落とされているとしたら、却下された国外短期ビザ申請にも救済措置があるべきだと思うのですが。

永住権申請発給数の上限を再度設定か?

NZが得た人口、いわゆるNet migrationは過去最高の数字で、首相はこれを持続不可能とコメントしています。(TV one, 12月11日)ニュージーランドに到着した就労ビザ保持者の数も約22万人と記録的な人数に達したこともあり、Stanford移民大臣は現在、永住権にどのような上限を設定できるかどうかについて移民局などの関係者と相談中のようです。(TV One, 12月12日)今後再び上限が設定される場合、審査が急に厳しくなり、結果として審査の遅延が発生する可能性があります。

どのようなシナリオになるにせよ、移住を考えていらっしゃる皆さんにとって良い結果が訪れることを祈りつつ、今年最後のコラムとさせていただきます。来年もビザ発給に尽力する所存ですので、何卒よろしくお願いいたします。メリークリスマス、そして良いお年をお過ごしください。

本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイス(有料)やビザの申請代行をご希望の場合はお問合せ下さい。

12月23日から1月7日までクリスマスホリデーに入らせて頂きます。(執筆日12月18日)

移民局は、当初来年2月から予定されていたAEWVワークビザ申請に適用される最低時給の引き上げを行わないことを決定しました。時給を$31.61に引き上げる計画を中止し、現行の$29.66が継続されることになります。技能移民永住権では時給$31.61が適用されます。(移民アドバイザー向けメール、12月21日)。

 
Aki Yamasaki
New Zealand Visa Partner Limited(ニュージーランドビザ申請代行センター)代表。NZ政府公認・移民アドバイザー(Licence No. 201701307)/NZ公認教育カウンセラー。カンタベリー日本人会協賛会員。Google Review 5.0。
ニュージーランド移住27年目、移民アドバイザー歴9年目。TOEIC満点、英検1級。Master of Business Lincoln Uni、Bachelor of Social Science (心理学) Waikato Uni,、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得し、現在も大学院ロースクールで法律を学ぶ。
一般的なビザ申請だけでなく、申請却下歴、犯罪歴、移民保護裁判所などの困難な案件にも対応。移民法に基づく法的助言、申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成等一貫して担当する。却下後の不服申立て、犯罪歴・病歴を伴う案件、移民大臣による特別な例外許可を求める案件、さらに弁護士や他の移民アドバイザーでもビザ取得に至らなかった案件についても、ビザ発給へ導いた実績を有する。 コロナ禍でビザ許可率が低下していた時期に、かつ素行要件にも抵触していた2件のビザ申請を除き、これまで受任したビザ申請の成功率は100%。評判の高い移民アドバイザーや留学エージェントからも案件の紹介を受けている。
法律分析と移民局への弁論書に定評あり。本気でニュージーランドのビザ取得を目指し、「応援したい」と思える案件のみ厳選して受任。弊社で申請代行可能かどうかの査定は無料。
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