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第142回 100年のBorder Alert!それでもビザ発給

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第140回 移民局から突然の電話!さあどうする

NZeTAすら申請できない――過去の履歴が大きな壁に

100年間ニュージーランド入国を禁じられた

ビザ申請では、過去の申請歴やニュージーランドでの滞在歴が、何年も経ってから大きな問題として浮上することがあります。

特に注意が必要なのが、Border AlertやBranch Warningです。

Border Alertは、出入国管理上、特に注意が必要と判断された人に付される記録です。通常は、100年間にわたり搭乗を拒否する旨の設定がなされ、その間はNZeTAを利用することができず、ニュージーランド国外からあらかじめビザを申請しなければなりません。

また、健康面や素行面などについて懸念がある場合には、Branch Warningが記録されることもあります。

今回申請代行させて頂いたお客様には、この二つの記録がありました。

それだけではありません。

過去には2回のビザ却下歴があり、ニュージーランドでのオーバーステイ歴もありました。さらに持病についても、過去のビザ審査で健康上の懸念が示されていました。

通常でも慎重な審査が予想されるケースですが、今回は渡航予定日までほとんど時間がありませんでした。

過去の問題を抱えながら、限られた時間の中でビザの発給を受けなければならないという、非常に難しい申請でした。

過去に問題があっても、それだけで決まるわけではない

過去にオーバーステイやビザ却下があるからといって、その後のビザが必ず却下されるわけではありません。

一方で、過去の問題が時間の経過によって自動的になくなるわけでもありません。

移民局は、過去に何が起きたのかだけではなく、現在の状況、渡航目的、これまでの経緯などを総合的に確認します。

今回も、過去のオーバーステイ、複数回のビザ却下、健康上の問題、Border Alertなど、複数の懸念事項が同時に審査対象となりました。

持病については、以前付されていたBranch Warning自体は今回の申請時点ですでに失効していましたが、Branch Warningが失効していたとしても、その事実自体が審査上の考慮対象となります。つまり、過去に健康上の懸念が示されていたという記録そのものが消えるわけではありません。そのため、今回も現在の健康状態を含め、移民局が必要とする事項について改めて審査が行われました。

複雑な履歴がある場合には、「昔のことだから大丈夫だろう」と考えて申請するのは危険です。

現在の状況だけではなく、過去の記録も含めて審査される可能性があるからです。

タイムリミット当日に審査開始

今回、もう一つ大きな問題となったのが時間でした。

渡航予定日が迫っている一方で、通常であれば短期間での審査を期待することが難しい内容の申請でした。

最終的に担当審査官が決まったのは、事実上のタイムリミット当日でした。

確かに、過去にはこちらの要望が認められ、申請からわずか一日でビザが発給されたケースもありました。ただし、その案件はパートナービザで、かつ、かなり強い人道的事情があり、今回とは事情が大きく異なっていました。更に今回は、これだけ複雑な事情がある案件ですから、その日のうちに結論が出る保証はもちろんありません。

審査官に連絡したところ、「本日中に審査を終えることができると思う」とのメールが入りました。しかし、審査が早く終わることと、ビザが承認されることは全く別の問題です。

結果を待っていたところ、その日のうちにビザを発給する旨の連絡が入りました。

最終的に発給されたのは、1か月のシングルエントリーのVisitor Visaでした。

まさに滑り込みでの発給となりました。

今回のケースから分かること

今回のケースから分かるのは、過去に大きな問題があるからといって、その後のビザ取得が必ず不可能になるわけではないということです。

一方で、

「昔のことだから申告しなくても大丈夫」

「とりあえず申請してみよう」

という考え方はお勧めできません。

過去のビザ却下、オーバーステイ、健康上の問題、Border Alertなどは、何年も経ってから再び審査上の問題となることがあるからです。もし今回の申請が却下された場合、その却下歴も将来のビザ申請において考慮されることになり、今後のビザ発給にとって新たなハードルになります。

また、審査にどの程度の時間を要するかは、正直なところ事前に予測することができません。そのため、できる限り早い段階で申請を完了し、十分な余裕をもって手続きを進めることが重要です。

過去そのものを変えることはできません。しかし、その当時の状況を客観的かつ論理的に説明することで、当時の事情を正しく理解してもらえる可能性があります。また、当時と現在では状況が変わっている場合には、その変化を現在の状況を評価する上でのポジティブな要素として主張できるかもしれません。

ビザ申請は、単に申請書を記入して提出すれば終わり、というものではありません。ビザルールに沿って必要な証拠を収集・整理し、それらを踏まえて、弁論書でこちらの主張を明確かつ論理的に示すことが重要です。過去の問題と現在の状況の双方を踏まえて申請することが、複雑なビザ案件では特に重要になります。

このコラムは、一般的なビザおよび移民法に関する情報を提供することを目的としており、法的助言を目的としたものではありません。執筆者および弊社は、本コラムの内容に起因する損害について、一切の責任を負いません。また、免責事項も含めて本コラムの無断転載および改変を禁止します。 政府公認の移民アドバイザーは、移民アドバイザーライセンシング法に基づき、ニュージーランド政府からライセンスを取得しています。執筆者はこのライセンス(Full Licence)により、単独で移民に関する助言および各種ビザ申請に関する業務を行うことが認められています。 移民アドバイスを受ける際には、無資格者を介した不適切な助言や手続を避けるため、政府機関IAAのウェブサイトにおいて、アドバイス提供者のライセンス番号およびライセンスの種類を確認することをお勧めします。ライセンスの発給歴についても確認することができます。(アドバイザー番号の最初の4桁は、アドバイザー資格申請年を示しています。) また、Limited Licence保持者については、助言を行うことが認められているビザカテゴリー等に制限がある場合がありますので、その範囲についても事前に確認することが重要です。 弊社では、本コラムの執筆者であるニュージーランド政府公認の移民アドバイザーが、お客様に対し、直接対応し、受任から申請、審査完了に至るまで一貫して案件を担当しています。 ビザ申請の難易度にかかわらず、信頼関係を築けて、ビザ取得という共通の目標に向けて一緒に頑張れる方に限定して受任しております。そのため、場合によってはご依頼をお断りしておりますので、あらかじめご了承ください。お問い合わせは、info@nzvisapartner.com (執筆日2026年8月21日)

 
Aki Yamasaki
New Zealand Visa Partner Limited(ニュージーランドビザ申請代行センター)代表。NZ政府公認・移民アドバイザー(Licence No. 201701307)/NZ公認教育カウンセラー。カンタベリー日本人会協賛会員。Google Review 5.0。
ニュージーランド移住27年目、移民アドバイザー歴9年目。TOEIC満点、英検1級。Master of Business Lincoln Uni、Bachelor of Social Science (心理学) Waikato Uni,、移民法最高学位GDNZIA等15学位を取得し、現在も大学院ロースクールで法律を学ぶ。
一般的なビザ申請だけでなく、申請却下歴、犯罪歴、移民保護裁判所などの困難な案件にも対応。移民法に基づく法的助言、申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成等一貫して担当する。却下後の不服申立て、犯罪歴・病歴を伴う案件、移民大臣による特別な例外許可を求める案件、さらに弁護士や他の移民アドバイザーでもビザ取得に至らなかった案件についても、ビザ発給へ導いた実績を有する。 コロナ禍でビザ許可率が低下していた時期に、かつ素行要件にも抵触していた2件のビザ申請を除き、これまで受任したビザ申請の成功率は100%。評判の高い移民アドバイザーや留学エージェントからも案件の紹介を受けている。
法律分析と移民局への弁論書に定評あり。本気でニュージーランドのビザ取得を目指し、「応援したい」と思える案件のみ厳選して受任。弊社で申請代行可能かどうかの査定は無料。
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